ご指摘のように多肢選択式のテストにおいては、選択肢のAだけBだけ、あるいは問題を見ずにでたらめに解答用紙に印をつけても、一定数の正解を得る可能性があり、TOEIC L&Rにおいてはその確率は約4分の1で、200問中の50問位は正答となります。これをテスティングの専門用語ではChance Scoreといいます。
しかし、TOEIC L&Rスコアは正答1問につき5点といった単純な方法で出しているわけではなく、こういったChance Scoreにも対応した特別な換算表を使ってTOEIC L&Rスコアを算出しています。 そのため、たとえ正答数が4分の1であってもそこから算出されるTOEIC L&Rスコアは4分の1の250点どころか6分の1にも満たないような非常に低いものです。これはTOEIC Programを開発したETSが、それ以前に外国人留学生を対象としたTOEFLというテストを開発し、実施してきた経験等から生み出した独自のノウハウです。
一例を上げますと、TOEIC L&Rの作成には言語学の専門家に加え、心理学や統計学の専門家が加わりそれぞれの立場からテストを実施した際に起こるであろうと予測される問題の解決にあたっており、それだけテストとして完成度が高いものになっているということです。 TOEIC L&Rは単純な確率論を期待したような解答に対しては、それなりの低いスコアしか出てこないような設計になっているのです。